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2005年09月27日

書評

『被差別の食卓』

『被差別の食卓』を読んだ

この本によって、アメリカのフライドチキンが実は、被差別者の食べ物だということを発見!

筆者は、大阪の被差別部落で育ち、幼少時代に食べていた「あぶらかす」や「さいぼし」といった一般地区の人々が知らない<むら>独自の食文化に思いを馳せる。
そして世界各地にある被差別民の作り上げた食の旅に出かけた。

アメリカ、ブラジル、ブルガリア、イラク、ネパール、そして日本。

良く聴く言葉、「ソウルフード」とは、差別と貧困にあえぐ、彼らの魂の料理なのだ。

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『被差別の食卓』上原善広(新潮新書123)

投稿者 coboratory : 21:00

2005年09月26日

書評

『だれも沖縄を知らない』

『だれも沖縄を知らない』を読んだ

この本に書かれているのは、観光地としての沖縄ではなく、そこに生活する人々の沖縄。
それも27もの小さな島々における。
日本/本土とは異なる歴史をもつ沖縄。
それは戦争においても異なる歴史を担わされた。

解題は、宮台真司。
彼は沖縄を左翼の牙城にすべきでないと説く。
自分もそれには賛成だ。
しかし同時に沖縄は、そのオリジナリティ故に、右翼的感受性をそこに根付かせているのも事実だ。
なぜならパトリオティズムとは、入れ替え可能性に抗う思想だからだ。
結局のところそれは、パトリを屠る国家を革命することを本義とするのだから。

沖縄、あなたはいったい何処へ行こうとしているのか!

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『だれも沖縄を知らない 27の島の物語』 森口豁、筑摩書房、2005

投稿者 coboratory : 17:17

2005年09月11日

政治と経済

小泉独裁、ヒトラー、そして茨木のり子

かつてヒトラー率いるナチスは、国会選挙で勝利して、政権獲得後に「第三帝国」なる独裁制を樹立した。
ヒトラーという20世紀最悪の政治家を選んだのは、ドイツ国民であり、
それは上記のように民主的な選挙によって選ばれたということを我々は忘れてはならない。

2005年9月11日の自民党=小泉独裁政権の誕生は、1933年のドイツを彷彿とさせる。
そのことに多くの国民が気づいてないというのも、なんだか初期のヒトラー政権と同じだ!

選挙前に秋葉原で、小泉総裁の演説を見たのだけれど、群集の数は異常だった。
それだけで小泉人気のほどが窺い知れた。
しかし選挙カーの上から小泉が語ることは、郵政民営化のことだけ。
それも「郵政民営化に賛成か反対か」といったアジテーションの連続は、
まるでブッシュが、「NewYork 9.11」の後に言った次の発言「我々の側につくか、それともテロリストの側につくか」と同じものだった。

今回の選挙でわかったことは、結局のところ、何も考えない人々というのは、簡単な言葉にいともたやすく騙されてしまうものだということだ。
政治学用語で言うところの、イメージ誘導、あるいはスピン・コントロールの手法を用いたブッシュも小泉も、
簡単な言葉だからこそ、国民の支持を得ることが出来たのだ。

いずれにせよ、自民党の圧勝は、ファシズムの到来を予兆させる。
郵政民営化の次は、大増税、そして間違いなく憲法改正を押し通すだろう。
公明党=創価学会がそれを甘んじるかどうかはわからないけれども。

大敗北に帰した民主党が分裂するのも見えてきた。だいたい岡田じゃ勝てなかったのだ!
バブル崩壊後の日本はよく、「失われた10年」などと言われるが、
今回の選挙は、日本戦後政治史における「失われた10年」になるだろう。
しかしそれは10年ですまないかもしれない。

それでは、そんな自分の考えも持たずにイメージだけで自民党に投票したすべての国民に、茨木のり子史の次の詩を捧げます。

「自分の感受性くらい」 

ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて

気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか

苛立つのを
近親のせいにするな
なにもかも下手だったのはわたくし

初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった

駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄

自分の感受性ぐらい
自分で守れ
ばかものよ

投稿者 coboratory : 23:51