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    <title>夏海奇譚</title>
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    <summary> 　今年の夏の暑さはとにかく異常だった。普段はエコというよりも体調が悪くなるので、エアコンを家では使わないようにしている自分だが、もはやそんな流暢なことを言ってられない状況だった。飼い猫も、エアコンの近くから離れなかったから、動物にとっても...</summary>
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        　今年の夏の暑さはとにかく異常だった。普段はエコというよりも体調が悪くなるので、エアコンを家では使わないようにしている自分だが、もはやそんな流暢なことを言ってられない状況だった。飼い猫も、エアコンの近くから離れなかったから、動物にとっても耐え難い夏だったのだと思う。
　そんな今年の夏だが、所用でとても忙しく、旅行などには行けなかった。毎年必ず何処かへ出かけるようにしているので、何処にも行かないというのは、やはり寂しいものだった。夏は良いことも嫌なことも含めて想い出がいっぱい出来るものだから。

        　そんな夏の想い出を振り返って見ると、やはり思い出すのは、高校時代の夏休みのこと。その頃のぼくたちは毎年、夏になるとバカみたいに海へ出かけていたのだ。今みたいに紫外線がどうこうとか誰も言ってなかったから、ココナッツの匂いのするコパトーンのサンオイルを塗りたくって日焼けをしまくり、水着姿の女の子を眺めまわしていたのだ。

　若かったぼくらの青春グラフィティの中でも、とくに忘れられない出来事がある。それは、日航ジャンボ機が群馬県多野郡上野村・御巣鷹の尾根に墜落した日のことだ。
　日付で言えば、1985年８月12日の夜になる。その日はクラスの男子数人で、千葉の海水浴場に泊まりで出かけていたのだ。昼はさんざん海で楽しんだのだが、民宿に戻ると日航機が行方不明だという事実を知った。
　結果として悲しいことに墜落してしまったその日の日本航空123便に、実は親戚の叔父さんが乗ることになっていたのをぼくは知っていたので、次から次へと続報として新しく入ってくるテレビニュースに、釘付けにされてしまった。事故の経緯を知れば知るほど胸が苦しくなったのを今でも覚えている。
　友達の何人かが酒やつまみを仕入れに、泊まっていた民宿からだいぶ離れた場所にあるコンビニに繰り出すと言っても、ぼくにはそんな気分になれなかった。だから仲の良い一人の友人が、ぼくと一緒にテレビを見続けていてくれたのは、とてもありがたかった。
　あまりに叔父さんのことが心配になって、とうとうぼくは家に電話をしてみた。すると母親から意外な言葉を聞くことになる。「なんか叔父さんは、虫の知らせみたいなのを感じて、あの飛行機をキャンセルしたんだよ」と。ぼくはそれを聞いてほっとすると同時に、不思議なことがあるもんだな〜と思った。その後すぐに自分に起こる不思議な出来事のことなんかまるで知らずに。

　叔父さんの無事を知ったぼくは、急に気分が軽くなったので、一緒に残ってくれた親友を連れだして夜の海へ行くことにした。それに他の友達たちにも、叔父さんの無事を報告しなければならなかったから、コンビニまで行こうと思った。
　民宿のすぐ前はもう海だった。だけど夏の夜だって言うのに、その日の浜辺には人の気配がまるでなかった。一度だけカップルとすれ違った。ぼくは心の中で、「ちぇっっ」と言った。
　それきりまた砂浜は、波の音と国道を通過する車の音だけになった。親友とぼくは、昼はライフセイバーが監視をするための監視台に登ってみた。そしてお互いに片思いの好きな子の話をして、切なくなったりしたのだ。夏の夜は人をセンチメンタルにするから、ぼくはいつになく饒舌に自分の想いを語ったりした。

　そうこうしていると、遠くから白いワンピースを着た若い女性が、大声で何か言いながらこっちに向かってきた。耳を澄ますと「おとうちゃん！　おとうちゃん！」と言っているように聞こえた。
　親友が、「なんか困ってるみたいだから、手伝ってあげようか？」と言ったので、「そうだな」とぼくは答えた。そして監視台を降りて、その女性のもとに早足で近寄ってみた。でも近づくにつれて、何か嫌な予感がしてきたのだ。白い服を着た女性まであと５メートルとせまった所で、ぼくと友人は目を見合わせて、お互いにその恐怖を察して、急いで女性から逃げだした。女性はぼくたちを追ってきた。「おとうちゃん！　おとうちゃん！」と言いながら。

　ぼくたちは、砂に足を取られながらも必死で駆けだした。時々振り返りながら走っていると、海小屋が二つ並んで建っている場所があって、その女性はとうとうぼくたちを諦めるように、その二つの海小屋の間にすうっと消えてしまったのだ。そう、暗闇に中に吸い込まれていったのだ。ぼくも友人も、はっきりとそれを見た。ぼくらはしばらくそこに立ちすくんだ。どれくらいその場にいたのだろうか。結局、その若い女性はそこから二度と姿を見せなかった。

　「なあ、あれ自縛霊だぜ。きっと」と友人がぼそっと言った。「なんだよ、ジバクレイって？」とぼくはとぼけて聞き返す。そんなモノの存在を認めたくなかったのだ。本当にぼくが自縛霊を知らないと思った友人は、続けてこう言ってきた。
　「もし俺たちが彼女を助けたら、間違いなく海に引きずりこまれていたと思うよ。自縛霊ってさ、他の奴らも同じ思いにさせたがるものだからさ」。

　だからこの話を読んでくれた読者に忠告したいのだけれど、もし夜の海で女性を見かけても、声なんかかけようと思わない方が身のためだと思う。だってこれは他人から聞いた噂話ではなく、ぼくが本当に体験したことなんだから。
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    <title>袖ひき小僧と口裂け女</title>
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    <published>2007-07-24T15:00:00Z</published>
    <updated>2007-09-23T10:20:36Z</updated>

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        　小学生だった頃、とても奇妙な体験をしたことがある。ある日の夕方、友人と二人でプラモデルを買いに歩道を歩いていたら、突然誰かに後ろからシャツの袖を引っ張られたのだ。驚いて振り返ってみても、そこには誰もいない。ぼくが友人の顔を見ると、その友人もびっくりした顔をしながら、思いもかけない言葉を発してきた。
　「今、俺のシャツ引っ張った？」。

        　そう、ぼくらは同時に誰かからシャツを引っ張られたのだ。でもそこにはホントに誰もいなかった。それからしばらくの間ぼくは、恐怖心を抱きながら暮らすことになる。そんな中、家の近くの図書館でふと、水木しげるの『妖怪大百科』という本を手に取った。するとそこに思いもかけない妖怪を見つけたのだ。
　その名は、「袖ひき小僧」。その妖怪は、夕暮れの帰宅を急ぐ者の袖をクイと引くらしい。振り向くが誰もいないので気を取り直して歩き出そうとすると、またも手がクイと引かれるとのこと。
　袖ひき小僧には、このような単なる足止めをして楽しむ愉快犯的な行動の伝承が多く、とくにこれ以上の危害を加えた等の話はない模様だと記述してあった。また怪談話などでは、直接手首をつかまれて引かれる、あるいは、袖を引かれたので振り返ると女の子だった等の噂話や伝承も残っているとのことだった。
　「ふうん、そうか」とぼくはやっぱりそんな妖怪もいるんだなぁと思ったのだが、袖ひき小僧に関する項目を最後まで読んでまたもやびっくりすることになる。出没地域は、ぼくらが住んでいた街だったのだ！

　その頃ぼくの周りでは、こんな奇妙なことがわりかし続いていた。なかでもひどく鮮明に覚えているのは、口裂け女の事件である。口裂け女(くちさけおんな)は、1979年の春から夏にかけて日本で広まった最強の都市伝説だ。
　口裂け女伝承には、いくつかのヴァリアント(ヴァリエーション)があるが、はっきりぼくが覚えているのは、マスクをして、真っ白い服を着た若い女性が、学校帰りの子供などに「わたし、きれい？」と訊ねてくるというものだ。その時、もし「きれい」と答えると、口裂け女は「......これでもか！」と言いながらマスクを外し、包丁で刺し殺してくるとのことだった。そしてその口は耳元まで大きく裂けているという。
　この時「きれいじゃない」と答えても、やはり切り殺されるのだ。口裂け女が、100メートルを３秒で走るというのも定説であった。しかし口裂け女から無事逃げるには、いくつかの方法があるとも伝えられていた。広く知られたものに、べっこう飴とポマードがあげられる。
　べっこう飴は口裂け女の好物であり、これを与えると口裂け女が夢中でなめている隙に逃げられるというもの。また、「ポマード、ポマード、ポマード」と３回続けて唱えると口裂け女がひるむので、その隙に逃げられるというものもあるが、この場合は身体能力(100メートルを３秒！)からして、かなり怯ませてから逃げなければならない。
　その他には、ポマード自体を投げ付けたり、それを振りかけたりなどすると彼女はその臭いで、パニックを起こしてしまうため、退散させることが出来るという方法も聞いたことがある。こんな荒唐無稽な話に、当時の少年少女たちは翻弄されたのだ。ぼくたちはびくびくしながら毎日を送っていた。

　そんなある日の夜、「砂掛けババア」と揶揄されていたイジメられっ子のクラスメートが、テレビに出たのだ。それは彼女が口裂け女を目撃したということによるインタビューだった。ブラウン管の中で彼女は、口裂け女と遭遇した経緯を真剣に語っていた。しかしぼくにはそれが、なんとなく憐れに思えてならなかった。彼女の横で一緒にテレビに映っていた女の子も同じくイジメられっ子で、その子のあだ名は「○○菌(○○には彼女の苗字が入る)」という最低なものだった。
　子どもゴコロにぼくは、それが彼女たちの何らかの抵抗であり、嘘であるということを知っていた。でもテレビを見ている人たちは彼女たちのことなんか知るわけもなく、小学生の女子が真顔で語っていることを、もしかしたら信じてしまうのだろうなと思っていた。テレビに出た次の日、彼女たちが凄惨なイジメにあったのは言うまでもなかった。ぼくはそれをただ眺めていた。いったい他に何が出来たというのだろう。

　中学生になって、砂掛けババアはとても綺麗になった。スタイルも良く、顔も可愛くなった。でもぼくは誰にも言わなかったが、彼女のことを小学生の時からずっとカワイイと思っていたのだ。
　ただボロボロの家に住み、風呂にもあまり入らず、ボサボサの髪を振り乱し、成績も悪かった彼女を好きだと言うことは、社会的に阻まれることだった。悲しい話だ。

　口裂け女のことを思い出す度、ぼくは砂掛けババアと呼ばれていたその女の子を想い出す。今は何をしているかもわからない女性のことを。他の人からすれば、袖ひき小僧の話だって荒唐無稽なのだろう。でもぼくと友人は確かに袖ひき小僧に袖を引かれたのだ！
　だから砂掛けババアが口裂け女には会ってないなんて、今のぼくには決して言えない。

　そんな風に都市伝説には、科学だとか非科学だとかいった論争とは別の次元の問題が、きっと深く静かに潜んでいるのだと思う。
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    <title>都市伝説</title>
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    <published>2007-06-26T15:00:00Z</published>
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    <summary> 　まずは自分の話。実はぼくは二つの大学を出ていて、その一つでは都市社会学を専攻し、主に東京の戦後から現在にかけての若者文化の変遷を勉強していた。この研究をしている人は以外に少なく、自分の通っていた大学では深い所まで学べないと感じた当時のぼ...</summary>
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        　まずは自分の話。実はぼくは二つの大学を出ていて、その一つでは都市社会学を専攻し、主に東京の戦後から現在にかけての若者文化の変遷を勉強していた。この研究をしている人は以外に少なく、自分の通っていた大学では深い所まで学べないと感じた当時のぼくは、東大の先生に直接指導してもらっていたのだ。
　今になって思うとそれはずいぶん贅沢な経験だった。その人は衒学にして謙虚で、とても多くのことをぼくに教えてくれた。

        <![CDATA[　最近よく思うのだけれど、インターネットの普及は、自分の中での読書離れを加速させてしまい、それにともなって社会を洞察する視点まで、失いつつあると感じている。確かにネット社会は我々の生活に情報量の量子的飛躍をもたらしたかもしれないが、自分で物事を考え、見えないものを見る視力を確実に奪っていく気がしてならないのだ。件の東大教授は今でもきちんとした仕事をしていて、ブレがない。それに比べて自分は、あちこちに興味や意識が飛んでしまって、実に優柔不断だなあと感じる。かつて一生懸命勉強したことのほとんどを忘れてしまっている。
　でもそれはある意味しかたないのだ。その時代その時代にはふさわしいダンスがあって、ぼくらはそのステップを軽やかに踏むことを覚えなければならないのもまた事実なのだから。それが生きるということなのだ。
　とは言え、ぼくの中でかつて熱く勉強していた社会学のことが頭の中をよぎることがある。中でも都市伝説についてはことあるごとに、きちんと押さえておきたいと思っている。

　そもそも「都市伝説」とは何か？　ひとことで言ってしまえば、口承で伝えられる不可思議な現在(もしくは近過去に)起こっている話のことである。
　都市伝説という言葉そのものは、1980年代初頭に、アメリカの民俗学者であるジャン・ハロルド・ブルンヴァン(Jan Harold Brunvand)らによって提唱されたものだ。ここで言う都市伝説の「都市」とは、必ずしも都市や都会を意味するものではなく、「都市（urban）」というタームは、長らく語り続けられてきた昔話や伝承(フォークロア)に対しての対比語でしかなく、物語の舞台設定が田舎であっても、それは都市伝説と呼ばれる。
　また都市伝説は、口承だけではなく、テレビ・雑誌などのマスメディアや、ブログなどのインターネットを通して広がることもあり、そうした場合の拡がりの速度は計り知れない。

　例えばコカ・コーラ社が発売するファンタは、これまでに多種類のフレーバーを発売している。そんな中、かつて「ゴールデンアップル」というフレーバーが存在したか否かという話題がネットを中心に2000年前後に巻き起こり、存在を肯定する側と否定する側に意見が分かれ、論争となった。
　論争は長期に及び盛り上がりを見せたのだ。かく言う自分もこの話は本当だとずっと思っていた。なぜなら子どもの頃、確かにゴールデンアップルを良く飲んでいたからだ。自分の経験だから間違いないと確信していたのだが、事実は違った。良く調べてみたら、当時(1975年)、コカ・コーラ社が販売していたのは、ゴールデンアップルではなく、ゴールデングレープなのだ。やがてコカ・コーラ社は「過去に日本国内でそのような製品を販売したことはない。ゴールデングレープならあった」という公式見解を発表した。
　このような論争が起こった原因として一説には、「当時、着色料不使用のゴールデングレープが、同時期に発売されていたファンタアップルと色、香り共に似ていたため、混同して記憶していた人が多かったのではないか」というものがある。コカ・コーラ社の公式見解表明以後、論争は沈静化したが、ネットでは「ゴールデンアップル存在説」は半ば都市伝説化している。

　東京近郊に住んでいる方なら一度は耳にしたことがあると思われるのが、「カップルで吉祥寺にある井の頭池のボートに乗ると、そのカップルは別れてしまう」という話だ。井の頭池には弁財天が祀られており、女の神である弁財天が仲のよいカップルに嫉妬するためというのが噂の出所らしく、その起源はかなり古い。
　これは典型的な都市伝説の一種である。ほとんどの恋人は結婚まで至らずに別れるのだから、それは井の頭池のボートでなくても良いのだが、背景に弁財天の名前を出したとたんに説得力が出てしまう。都市伝説が強度を持つには、そのような裏付けが必要なのだ。

　ちなみに、<口裂け女><人面犬><トイレの花子さん>などは、都市伝説ではなく、「現代妖怪」という分類をする学者もいる。ついでに言えば、富士の樹海では方位磁針が正常に動作しないとか、黄色い救急車があるなどの都市伝説は、根も葉もないまったくの嘘だ。

　でも人々はこういう変な話を心の何処かで望んでいるのだ。当たり前の日常をひっくり返す隙間を探すのは、とても楽しいことだから。
　それでは、次回もまた都市伝説について。]]>
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    <title>絵本とアニメチェコ紀行</title>
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    <published>2007-05-30T15:00:00Z</published>
    <updated>2007-09-22T22:25:53Z</updated>

    <summary> 　どうやらこれからチェコが熱くなるという予感というか噂がある。何年か前にチェコ・アニメがちょっとしたブームになったことがあるけれど、その後も女性誌などで、何かとチェコが取り上げられているのだ。またチェコの世界遺産が、観光地として最近注目さ...</summary>
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        　どうやらこれからチェコが熱くなるという予感というか噂がある。何年か前にチェコ・アニメがちょっとしたブームになったことがあるけれど、その後も女性誌などで、何かとチェコが取り上げられているのだ。またチェコの世界遺産が、観光地として最近注目されていたりする。そういう訳で、チェコという国についてこれを機会に一緒に勉強してみましょう！

        　チェコ共和国、通称チェコはヨーロッパ中部の国。首都はプラハ。元はチェコスロバキアという国だったが、1993年にチェコとスロバキアに分離し成立した。公用語はチェコ語である。冷戦時代は他の東欧諸国と同じように社会主義国家であったが、スターリンの独裁政権による抑圧への民衆の不満が、「プラハの春」を引き起こしたことはつとに有名であろう。
　伝統的な産業は、チェコ・ビールとボヘミア・ガラスがあげられる。またキリスト教国としては珍しく、火葬を行うことでも知られている。

　歴代の著名人は、画家ではアルフォンス・ミュシャ。映画監督では、ヤン・シュヴァンクマイエルや『カッコーの巣の上で』、『アマデウス』のミロス・フォアマン、そしてカルト的な人気の作品『ひなぎく』を作ったヴェラ・ヒティロヴァー。
　それから作家(小説家)としては何と言っても、フランツ・カフカである。他にもミラン・クンデラやカレル・チャペック(画家で絵本作家のヨゼフ・チャペックの弟)、そして詩人のハイネもチェコの人だ。
　音楽家では、古くは、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト。現代では、ドヴォルザーク。そして連作交響詩『わが祖国』(Ma Vlast)を作曲したベドジフ(ベドルジハ)・スメタナもその一人。ちなみに『わが祖国』第２楽章で有名な「モルダウ川」とは、実はドイツ語の呼称で、チェコ語では「ヴルタヴァ川」と言うのだ。
　テニスのイワン・レンドルやマルチナ・ヒンギスもチェコ人。サッカーだとパベル・ネドベド(パヴェル・ネドヴェド)もそうだ。

　でもなんと言っても、チェコと言えば、絵本とアニメなのである。その訳は、社会主義時代に言論や思想が弾圧されていたため、直接的な政治言語を使わない絵本とアニメに、才能のある芸術家が向かったためだと言われている。
　第二次世界大戦後、人形アニメーションのパイオニアとして世界的な名声を博した巨匠イジー・トゥルンカが、同時に数々の絵本の挿絵を手がけを受賞したように、チェコ・アニメの作家たちの中には、絵本創作やイラストレーション、デザインなどを手がける場合も多く、そこには、アニメ作品と同様の詩的な世界が繰り広げられている。
　そして、チェコの絵本の現代史を辿るとき、アニメーション映画やTVアニメーションの分野との交流が、絵本の世界をより豊かにしていることに気づかされる。20世紀の社会主義体制下、チェコでは、芸術家の制作活動に制約が存在した。しかし、絵本は自由な創作が許される一種の治外法権的な領域となり、前述したように多くの作家たちが、絵本のジャンルで才能を発揮していった。もちろん、政治的な抑圧の中、海外に活動の場を求めた作家も少なくない。
　現在でも、海外での出版が先行するケースも見られるなど、複雑な背景の中で、「チェコの絵本」や「チェコの絵本作家」をひとくくりに語ることは容易ではないかもしれない。けれども、その歴史の中で育まれた多用な芸術性(素朴な味わいや、洗練されたデザイン性)は、今日の私たちをなぜか強く惹きつける。

　と書いたところで、チェコ絵本やアニメの良さを伝えられないのが実に悔しい。とにかくチェコの作品の色彩感覚は、どれも素晴らしいのだ。それこそ魂が震えるような作品に出会うことも珍しくない。なので機会があったら、ぜひそのどれかを手にとってもらいたい。一番簡単なのは、「TSUTAYA」などで気になったチェコ・アニメを実際に借りて観てもらえればいいと思う。

　とりあえず、チェコの絵本作家を列挙して見ると、アドルフ・ボルン、イジー・トゥルンカ、オタ・ヤネチェク(ヤネチェック)、クヴィエタ・パツォウスカー、ズデネック・ミレル、ドゥシャン・カーライ(スロヴァキア)、ミルコ･ハナーク、ミロスラフ・サセック(チェコ出身)、ヤン・クドゥラーチェク/ヤン・クドラーチェク、ヨゼフ・チャペック(上記であげたカレル・チャペックの兄)、ヨゼフ・パレチェク(パレチェック)、ヨゼフ・ラダなどがあげられる。またチェコのアニメーション作家では、ヘルミーナ・ティールロヴァー、ガリク・セコ、イジー･トゥルンカ、ブジェチスラフ・ポヤル、ズデネック・ミレル、カレル･ゼマンなどが有名である。

　手元に世界地図がある方は広げてみて欲しい。もしなければウェブ上のヨーロッパ地図を見てもらえばいいが、チェコという国はヨーロッパの中心に位置している。北西側にはドイツが、北東にはポーランド、東にスロバキア、そして南にはオーストリアという国が接している。人口1000万人ほどの小国だが、地政学的にも今後注目されていく場所であろう。
　近代以降もゼセッション、キュビスム、シュルレアリスムなど様々な芸術活動や思想が往来し、それらは子どものための絵本の創作にも大きな影響を与えてきたチェコ。
　さらに20世紀のアヴァンギャルド運動を通じて、チェコのブックデザインは、作家の創作活動を伝播する役割を担うこととなった。

　でもまずはとにかく、絵本やアニメの色彩感覚を堪能して欲しい。チェコを知るのは、そこからがいいと個人的に思うのだ。
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    <title>志野と織部</title>
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    <published>2007-04-22T15:00:00Z</published>
    <updated>2007-09-24T20:14:20Z</updated>

    <summary> 　とある晴れた平日の午後、ちょっと時間が出来たので、東京・出光美術館で開催されていた『志野と織部　†風流なるうつわ†』展に行ってみた。 　最近の出光美術館は展示センスが良いので、期待していったのだが、本展は期待をはるかに上回るものであった...</summary>
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        　とある晴れた平日の午後、ちょっと時間が出来たので、東京・出光美術館で開催されていた『志野と織部　－風流なるうつわ－』展に行ってみた。
　最近の出光美術館は展示センスが良いので、期待していったのだが、本展は期待をはるかに上回るものであった。ただ一つ気になったのは、来館者全員が年寄りだったこと。これにはびっくりした。若者はただの一人もいなかったのだ！
　実にもったいないことだと思う。借り物の西洋絵画展には行列を成すというのに、日本の寂びた美であるやきものに若者たちが目を向けないのは、どうしてなのだろうか。

        　志野と織部は、史上希なほどの好景気に沸いていた桃山時代のわずか20年程の間だけ、美濃(現在の岐阜県)で作られたやきものである。しかしそれは、日本に「うつわ革命」をもたらしたとんでもない傑作揃いなのだ。
　それまでの漆器や木器など、木が主体の中世までの食器文化を根底から覆し、陶器や磁器というやきものを主体とした近世の食器文化を誕生させたのが、志野と織部であった。
　中国、あるいは朝鮮などといった外国産のやきものに独占されていた高級什器に、まっこうから勝負した初の国産やきものであり、かたち・色彩・文様・肌合いなど、あらゆる点で、それまでのうつわとは異なる魅力的な和の造形を創造していったのだ。

　志野焼は、美濃の白い土に、白釉である長石釉をかけて作られた白いやきもの。中国の白磁への憧憬から産み出された志野は、日本のやきものとして、白に下絵付けの技法を用いた初めての技術であった。
　国産茶陶では二点しかない国宝の一つが、『志野茶碗　銘卯花墻(三井記念美術館蔵)』であることからもわかるとおり、志野焼には抜きんでたものがあり、その最大の特徴が、白い色彩であると言える。
　しかしながら白という色にも様々な階調があり、どの作品に関しても言えることだが、真っ白というものはない。淡いクリーム色から強い鼠色までの間の中で、志野の白は佇んでいるのだ。
　想像して欲しい。そこで点てられた濃いお茶のことを。飲み干したうつわの底に微かに残った緑色が、志野茶碗の白とどうあいまって見えるかを。

　そして時代を連続させて織部が誕生する。織部焼は桃山時代に登場し一世を風靡した、画期的な様式の施釉陶器。織部という名は茶人の古田織部(ふるたおりべ)に由来し、俗に古田織部が好みで作らせたものが始まりと言われている。
　織部焼の特徴は、造形が型破りなところ。古今東西のやきもの器の大部分は、断面が円形になるような形や、角張ったものでも左右対称の整った形をしている。織部焼では、その常識を破り、意図的に歪みやねじれを創り出した。歪みやねじれ以外に、それまでにはなかった形のものもいろいろ作られており、扇形のものなどがよく知られている。
　傾き(かぶき)の意匠がふんだんに使われた黒織部、中国・青磁の青に対する強い憧れから産み出された黄瀬戸などが織部の中でも有名であろう。

　織部の魅力は、なんといっても艶のある緑の釉薬と卓越したデザインセンスから生まれる多彩な器形だ。器種としては沓茶碗が多く、茶入れ、花鉢、香合、水差しなどが見られる。そしてその存在を支えたのがいわゆるかぶき者や遊女たちであった。

　かぶきとは、歌舞伎の語源で、常識外れや異様な風体を意味する。志野や織部の文様の多くは、かつて祝祭や祭礼の場を飾った「風流」のモチーフだったと、本展を企画した荒川正明氏(出光美術館主任学芸員)は指摘している。
　風流という言葉は初め、「みやび」の意味で使われていたが、平安後期になると、生活のなかでのハレの場で、会場の調度や参加者の衣裳、乗物などを飾り立てることを指すようになった。
　志野と織部で幾度となく使われている橋、車輪、籠、籠目、網干、傘と笠、千鳥、草樹などの文様は、あの世とこの世(彼岸と此岸)を表している。また結界そのものの文様である門木と垣根なども繰り返し使われ、その当時のうつわに何が意図されていたかを考えるのはとても興味深い。
　それから例えば「吊し文」と呼ばれる一連の文様がある。従来は「吊し柿」などと言われてきたが、本展では別の見方を提示していた。それは村の境界に注連縄を張り、細縄を垂らすことで、神仏を招き、悪霊をはらう「勧請吊」だったのではないかと。

　そう考えると、志野と織部は本当に聖なる境界・結界の文様だらけなのだ。もしかしたら「日本人の精神」と呼ばれるものの多くがこうした中から培われたのではないだろうか？　志野・織部に代表される桃山陶器の出現によって、中世まで主に実用のために作られた国産のやきものが、より洗練されたものに生まれ変わっていったのと同じく、日本人の精神を映し出す道具としての文様が、この頃から生活に浸透していったのではないかと思われる。
　確かに中世以前には、身を清めた人々のみに許された風流の飾りが、桃山期を迎えて、かぶき者や遊女たちの破天荒で奇抜な装いへと変貌する。ちなみに彼らの衣装のモチーフは、志野や織部の文様と重なる点が多い。

　こうした革新的な美意識もその後の幕藩体制の確立と同時に急速に生命力を失い、それと共に志野や織部の時代も終わりを迎えていった。徳川家康から疎まれた古田織部が自害し、織部焼も市場から抹殺されてしまう。長かった戦乱の末に訪れた束の間の桃山バブルははじけ、江戸時代がやってくるのだ。
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    <title>スピリチュアル・ブーム　２</title>
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    <published>2007-03-25T15:00:00Z</published>
    <updated>2007-09-24T20:23:13Z</updated>

    <summary> 　そもそもスピリチュアルとは何か？　ひと昔前には、精神世界とかニューエイジなどと主に言われていた領域であるが、スピリチュアル(正確にはスピリチュアリティ= Spirituality、霊性)とは、霊魂などの超自然的存在との見えないつながりを...</summary>
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        　そもそもスピリチュアルとは何か？　ひと昔前には、精神世界とかニューエイジなどと主に言われていた領域であるが、スピリチュアル(正確にはスピリチュアリティ= Spirituality、霊性)とは、霊魂などの超自然的存在との見えないつながりを信じる、または感じることに基づく、思想や実践の総称のことである。具体的には、人生の意味や希望、そして安らぎなどを見出す〈心の奥〉の問題に対して、自らの魂や、もしくはヒーラーなどと呼ばれる人を介して、触れたり解決していくことを言う。

        　精神世界およびニューエイジは、定期的にプチブームが訪れるのだが、バブル崩壊前後の80年代後半から、目に見えない何かとのつながりを求めたいという感情と、経済的な自己成長意識の両者が強まり、チャネリングや自己啓発セミナーの爆発的ブームを経て、オウム真理教事件で一気に沈静化したことは記憶に新しい。
　しかしその後、新世紀の2000年ごろから、オウムのトラウマである〈宗教アレルギー〉を伴いながらも、再びその感情がうごめき始め、スピリチュアルという名称に衣替えして、現在の流行に至っている。 
　1999年のWHO(世界保健機関)執行理事会で、「健康」の定義が見直された際、健全なスピリチュアルも、健康の一つの要素として加えるよう議論されたことは御存知だろうか？　それまでWHOでは、健康の定義は、体の健康(physical)・精神衛生(mental)・社会的環境(social)の3つであったが、4番目のスピリチュアル(spiritual)を加えるよう議題化されたのだ。このようにスピリチュアルという領域は、確実に一般用語として広まってきていると言える。

　そこでオウム以降のスピリチュアルに関してだが、今日のスピリチュアル・ブームの背景には、伝統的な霊観念の衰退、もしくは希薄化ということがあげられるのは間違いないだろう。ここで言う伝統的な霊観念とは、家制度の下で、先祖が作り上げた家をないがしろにされた霊の祟りによって、病や不幸がもたらされると考えることである。
　オウム事件前には、病や不幸を取り除くには、先祖の霊を正しく供養しなければならないと説く立場が、宜保愛子氏などのタイプの霊能者を通してメディアで盛んに取り上げられていた。
　ところが現在のスピリチュアル・ブームの背後では、核家族化の問題は当たり前のように浸透していまい、家の比重がいちじるしく軽くなり、先祖の霊の祟りということに現実味が無くなってしまった。少なくとも都市部や若い人の間では、家のしがらみに苦しむ人は減ったのではないだろうか。
　当然、その反作用として、人々は家という支えを失ったことに苦しむことになる。さらに未婚者の増加や少子化の進行で、家制度の存在自体が危うくなってきている。それにともなって、霊の観念についても〈個人化〉の影響が強くなってきたのだ。
　そして今、霊が問題にされる時、それは家の先祖の霊ではなく、個人の前世の霊である。先祖が出てきたとしても、祖父母などごく近しい祖父母の存在に限られるのだ。このような個人化傾向の霊現象によるスピリチュアル・ブームの立役者の一人が江原啓之氏だと、宗教学者である島田裕巳氏は位置付けている。
　つまり個人というのが、現在のスピリチュアル・ブームにおける最大のキーワードであると考えられる。その個別性の前に既存の宗教は、語る言葉をなくしてしまうのだ。すべてが個人に還元される状況の中で、江原氏のブームは成り立っていると言えるだろう。

　江原氏の著作を読むと、彼は「霊的真理」と「現世利益」という言葉を対立させて使っている。「現世利益」は、物・金などへの執着や利己主義のことを指していて、「霊的真理」は、絶対善であると位置づけるものだ。
　「霊的真理」は、〈魂(たましい)の成長〉によって近づくものであり、現世利益的な行いは、〈魂の成長〉を阻害すると江原氏は言う(つまりこれは、清貧を美徳とする考えと受け取れる)。
　この「霊的真理／現世利益」という対立は、「善／悪」「正／誤」「優／劣」「発達／未発達」と言い換えることも出来るのだが、その図式はスピリチュアルを享受する人々にとって心地良いものなのである。現世利益を否定し、霊的真理を肯定することの利点の一つとして、所得の低いことを無効化できるという点が考えられる。
　清貧を美徳とする霊的真理への道を信じる場合、所得の低いことはむしろ肯定的に受け止めることが出来るのだ。もちろんこれは所得の問題だけでなく、持病や美醜の問題といった問題とも軌を一にする。
　もう一つの利点は、霊的真理の道に従うという自己選択の正誤は、死ぬまでわからないという点にあると言えるだろう。現世利益を第一の基準にすると、勝ち組負け組みが、所得という数値で一目瞭然となるが、魂の成長の場合には、それが試されるのはむしろ死んだ後となる。
　そこには、「自分の行いが死んだ後に先延ばしされる」というシステムが確立されているので、スピリチュアル・ブームは、日々自己選択を迫られる我々に、過酷な現実から逸脱する都合の良いシステムを提供しているとも言えるのだ。だからこそ、癒しを求められる風潮と共に、江原＋美輪ブームというものが成り立っていると考えられる。

　このようにスピリチュアル・ブームというのは、自己にとって利点を求める人が多いために生じている必然的な現象である。しかしながら、自分だけにしか関心がなく、そんな自分の不安を解消し、自分を肯定するためにスピリチュアルを利用するという行為の行き着く先は、たいてい宗教的なまがまがしさである。
　また多額の金銭を要求するスピリチュアル・システムの怪しさも、当然忘れてはならないだろう。この春から、江原＋美輪両氏が司会をするテレビ番組『オーラの泉』が、ゴールデンタイムに移ってきた。それだけ視聴率を取れるということだが、広く認知されると同時に、目に見えない霊的存在をあたかも有るかのように断定するその番組のあり方が、放送倫理規定に引っかかるのではないかという声も日増しに高まっている。

　ここで我々が気をつけなければならないのは、いつの時代においても社会や自分の不安というものは存在するが、頼るべきものはあらゆる場所にあまねく有るという当たり前の事実だ。それは決まった誰かの言葉を絶対として頼るのではないと言うことであり、このことは各自の中で、ことさら明確にしておいた方が良いのではないかと思う。
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    <title>オンライン上の理工科学情報の探し方</title>
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    <published>2003-10-18T15:00:00Z</published>
    <updated>2007-09-20T06:42:46Z</updated>

    <summary> 　私は図書館司書資格を所持しているのだけど、このコラムでは今までそれらしいことを一度も書いてこなかった。 　そこで今回は、「オンライン上の理工科学情報の探しかた」について簡単に述べてみたい。もちろん賢明な読者には、すでに知っていることばか...</summary>
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        　私は図書館司書資格を所持しているのだけど、このコラムでは今までそれらしいことを一度も書いてこなかった。
　そこで今回は、「オンライン上の理工科学情報の探しかた」について簡単に述べてみたい。もちろん賢明な読者には、すでに知っていることばかりかもしれないが、そこは復習のつもりと思って読み進めてください。

        <![CDATA[　欧米の学術論文・研究論文を探すには、まず各専門分野の索引誌にどのようなものがあるかを知ることが大切になってくる。
　各専門分野には、それぞれ定評のある主要な索引誌が存在している。専門分野に特化した索引誌は、その分野の主要な研究が発表されるコアジャーナルを対象としている。現在専門分野別の索引誌は、冊子体からデータベースへと急速に媒体変換が進められている。

　代表的な欧文の索引誌と記事索引のデータベースには、「FirstSearch」や「ScienceDirect」といった総合データベース内の物理・電気分野「INSPEC」、工学索引分野「COMPENDEX」があげられるが、これらは個人で加入すると莫大な料金が課金されてしまうので、ホームライブラリーを利用したり、またそこのレファレンサーに相談するのが良いと思われる。

　アメリカにおける理工学分野資料の主な有益サイト(有料を含む)は、以下のとおりである。
　参考にしていただけたら幸いである。なおサイトの翻訳に際しては、「<a href="http://www.excite.co.jp/world/english/web/">Excite エキサイト/ウェブページ翻訳</a>」が大変便利なので利用してみて欲しい。

<dl>
<dt>●販売書誌(刊行・販売されている図書などの資料を収録した書誌)</dt>
<dd>「<a href="http://www.booksinprint.com/bip/">Books in Print</a>」</dd>
</dl>

<dl>
<dt>●書誌・所蔵情報総合データベース</dt>
<dd>「<a href="http://www.oclc.org/worldcat/">WorldCat</a>」(アメリカOCLCが提供するFirstSearchという総合データベースの中の一つ。世界中の言語の図書・雑誌・楽譜・地図・視聴覚資料などの書誌情報と所蔵情報を収録。)</dd>
</dl>

<dl>
<dt>●近刊情報(大手書籍販売流通業者による近刊・新刊情報サービス)</dt>
<dd>「<a href="http://www.btol.com/index.cfm">Baker&Taylor,Retail Books</a>」</dd>
</dl>

<dl>
<dt>●新刊書店(価格比較サイト。Amazon.comやBarnes&Noble.comを含んだ比較検討ができる)</dt>
<dd>「<a href="http://www.dealtime.com/">DealTime</a>」</dd>
</dl>

<dl>
<dt>●博士・学位論文</dt>
<dd>「<a href="http://www.umi.com/hp/Products/Dissertations.html">UMI Online Dissertations Service</a>」</dd>
</dl>

<dl>
<dt>●2003年より雄松堂書店が米国学位論文の日本総販売代理店となり、次のサイトからも検索できるようになった。</dt>
<dd>「<a href="http://www.dissertation-yushodo.jp/menu.html">YUSHODO Dissertation Service Center</a>」</dd>
</dl>

<dl>
<dt>●アメリカの官報</dt>
<dd>「<a href="http://www.gpoaccess.gov/fr/">Federal Register</a>」</dd>
</dl>

<dl>
<dt>●医学・理工学分野の論文や規格、書籍を購入できる専門サイト。</dt>
<dd>「<a href="http://www.kwire.co.jp/">ナレッジワイヤ</a>」</dd>
</dl>


　また英語の雑誌は、以下から書誌情報の参照や購入ができる。

●ダイレクトリー（Web上に存在する、現在継続刊行中の新聞・雑誌を網羅的に収録するデータベースまたはリスト）
<dl>
<dt>世界約１５万タイトルの新聞・雑誌情報を収録する。</dt>
<dd>「<a href="http://www.publist.com/">Publist</a>」</dd>
</dl>


●マガジン・スタンド（雑誌販売を目的にするサイト）
<dl>
<dt>学術情報（ジャーナル）より週刊誌や大衆紙（マガジン）を販売するサイトが圧倒的に多い。以下２つは、その比較サイト。</dt>
<dd>「<a href="http://www.mysimon.com/">mySimon</a>」</dd>
<dd>「<a href="http://www.bizrate.com/">BizRate</a>」</dd>
</dl>


　それから最後に補足ではあるが、英国図書館(BL)は、ILL(図書館相互貸借)に協力的な図書館なので、ホームライブラリーあるいは公共図書館のレファレンス係に申し込めば、取り寄せか複写の依頼ができる。
<dl>
<dt>●BL(蔵書約1,100万冊)</dt>
<dd>「<a href="http://www.bl.uk/">BLPC</a>」</dd>
<dt>●文献供給センター: Document Supply Centre(蔵書約290万冊)</dt>
<dd>「<a href="http://www.bl.uk/services/document/dsc.html">DSC</a>」</dd>
</dl>

　]]>
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    <title>２ちゃんねるという世界</title>
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    <published>2003-09-20T15:00:00Z</published>
    <updated>2007-09-19T09:36:37Z</updated>

    <summary> 　今さらここで言うのも憚れるが、インターネット上の巨大掲示板群『２ちゃんねる』の存在は大きい。ありとあらゆる時事情報を、清濁併せ呑みながら抱え込み、日本の文化そのものを変える勢いで『２ちゃんねる』掲示板は日夜、沢山の人々によって書きこまれ...</summary>
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://coboratory.com/mol/">
        　今さらここで言うのも憚れるが、インターネット上の巨大掲示板群『２ちゃんねる』の存在は大きい。ありとあらゆる時事情報を、清濁併せ呑みながら抱え込み、日本の文化そのものを変える勢いで『２ちゃんねる』掲示板は日夜、沢山の人々によって書きこまれ、また読まれている。

        　私が初めて『２ちゃんねる』を知ったのは、確か1999年の秋のことだった。ある問題を調べるためにサーチエンジンに検索をかけていたのだが、どうしてもその問題がヒットしなくて困っていた時に、友人がこの掲示板の存在を教えてくれたのだ。
　その時はまだ、今みたいには各掲示板の数が揃っていた訳ではなくて、結局探していた答えは見つからなかった。しかしこの完全匿名性を売りにした掲示板を「とても面白い試みだなあ」と思ったことは、はっきりと憶えている。

　だけど『２ちゃんねる』がここまで成長するなんて、その時はまったく思わなかった。その後の私は、書きこみはしないまでも、機会がある度に『２ちゃんねる』を覗く習慣がいつの間についてしまって、自分でも困ったものだと感じている。

　それは例えば、私のインターネット・ブラウザのホームページの設定が『Yahoo!』になっていて、何か仕事に煮詰まると、思い出したように『Yahoo!』で随時更新されるニュースをチェックするのが癖になっているのと同じで、『２ちゃんねる』を見てしまうのは、ある種の依存症なのかもしれない。不謹慎な考えを承知で言えば、『Yahoo!』ニュースで大した事件がないと、つまらないと感じてしまう自分がそこにいて、もう一人の自分がそれをバカだなあ、と思うのだ。

　それは今年阪神タイガースが優勝した日に、阪神尼崎駅前や道頓堀川に架けられた戎橋に集まった群衆の姿が良い例かもしれない。あの時橋の上には、それこそ溢れるくらいの人々が本当にぎゅうぎゅう詰めに集まっていて、優勝が決まる前からも、何十人もが川に飛び込んでいた(優勝すると5,300人以上も飛び込んだ！)。
　各テレビ局は中継としてそれをずっと放送していて、レポーターは決まったように、『道頓堀川に飛び込むのは禁止されております。しかし阪神優勝へのファンの思いは、そんなことをお構いなしに盛り上がり、ヒートアップしているみたいです！』などと叫んでいた。
　あのダイブが促されたのは、結局それを取り上げていたテレビ局やメディアの企みであって、『禁止されております』などと言っていたのは、行政や視聴者から予測される抗議への予防線や言い訳でしかなかった。

　誰だってわかっていたのだ。『禁止されております』という言葉が、逆にそれを助長していることなど。だからこそ興奮したファンは、次から次へと川に飛び込んで行ったのだ。最初は他の誰かが飛び込むのを見てみたいという軽い気持ちだったのかもしれない。だけども誰かが飛び込むのを見て、その姿をかっこいいと思い、自分もヒーローになってやる、ちょっとした歴史を作ってやる、と思った別の誰かが、真似をして飛び込み、連鎖に次ぐ連鎖が、さらに人々を興奮させてゆく。
　例年は阪神なんか応援してもいない、にわか阪神ファンの群れが橋の上にはうようよ集まっていて、警察が至る所に配置されてその群れを注意する。
　それは一種の祭であって、祭というのは禁止と逸脱のコードで出来ていることを、テレビを見ていた私は改めて思い知ったのだ。

　『２ちゃんねる』という存在も、この祭に似ている。不景気だとか事件の多発だとか、あるいはグローバル化が進み、あらゆることが管理され、閉塞したこの社会の中で、『２ちゃんねる』という仮想の世界では、普段は口にすることが出来ないことを、我々は誰のおとがめもなく言えるのだ。
　寓話「王様の耳はロバの耳」で、王様の床屋が、王様の耳がロバの耳であることを知ってしまい、誰にも言ってはならないと釘を差されたが、その秘密を一人で抱えることが出来なかった床屋が、穴の中に秘密をぶちまけていたように、『２ちゃんねる』は、あの穴と同じように人々の鬱積し屈折した情念が投げ込まれる存在なのだ。

　大手メディアが伝えない、あるいは伝えられない情報が『２ちゃんねる』には数多く書きこまれ、その情報の真偽を判断するメディア・リテラシーが試される場にもなっている。なかには目から鱗が落ちる事実や告発も語られ、ある者はそれを煽ったり、煽られればやり返したり、また他の誰かがそれに参戦したりする。
　傍観する者、まったく違う文脈のことを言い出す者、制止する者などが、スレッド上で入り乱れ、『２ちゃんねる』では祭りの猥雑さがいつでも醸し出されている。
　現にタレントの田代まさしが盗撮で逮捕された時には、『２ちゃんねる』上では異常な程盛り上がってしまい、のちにそれは「田代祭り」などと呼ばれ、今でも伝説になっているくらいだ。

　『２ちゃんねる』、やはりそれ自体が祭りなのだ。そこでは、事実や告発と共に差別・誹謗・中傷・罵倒などがこれでもかと繰り広げられ、そのことによって管理人である西村博之氏は、企業や個人からの訴訟をいくつも抱えてしまってもいる。それでももはや『２ちゃんねる』を知ってしまった我々の社会は、名目上の正義や綺麗にラッピングされた広告や商品の嘘を笑い飛ばし、祭りの露天や見せ物小屋のいかがわしさを『２ちゃんねる』というネット上で楽しんでいるのだ。

　だけど祭りの後はいつも寂しい。日本という社会が『２ちゃんねる』を抱えているのではなく、『２ちゃんねる』という世界が日本を抱え込んでいる感じさえする今日この頃は尚のこと。。。
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    <title>豊かな自然と平和主義の国 ～ コスタリカ</title>
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    <published>2003-08-19T15:00:00Z</published>
    <updated>2007-09-19T09:27:27Z</updated>

    <summary> 　ここ数年、コスタ・リカ共和国(以下コスタリカ)が世界中から注目されているのをご存知だろうか？　その理由は幾つかあるが、主だったものを列挙してみると、 ...</summary>
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        　ここ数年、コスタ・リカ共和国(以下コスタリカ)が世界中から注目されているのをご存知だろうか？　その理由は幾つかあるが、主だったものを列挙してみると、

        <![CDATA[<ul><li>世界で唯一の非武装永世中立国(常備軍を廃止したのは1949年)</li><li>国連平和大学(世界初)及び地球評議会事務所設立</li><li>アリアス大統領(当時現役)　ノーベル平和賞受賞</li><li>国家予算の21％が教育費(2000年度)</li><li>200海里経済水域を世界で最初に宣言</li><li>国土の約24％が国立公園(保護区)</li><li>地球上の全動植物種の約５％が生息</li></ul>

　などが挙げられる。これらはコスタリカが非常にユニークな国と言われる由縁だ。またコスタリカの治安はアメリカ大陸で一番良いとも言われている。

　コスタリカは、北米大陸と南米大陸の中間に位置する、四国と九州を合わせた程の大きさの国である。太平洋とカリブ海に面し、国土の中央部を現在も活動中の火山帯が占める変化に富んだ地形が、素晴らしい自然を育んでいる。
　パナマ・ニカラグア両共和国と南北に隣接するコスタリカは、近年その熱帯雲霧林の豊かな植生に代表される多様な生態系を生かした「エコ・ツーリズム」の一大中心地として世界からの注目を浴びている。特にハチドリや「幻の火の鳥」とも称されるケツアールなどの珍鳥が観察できることから、同国は「鳥の楽園」としても知られている。

　しかしコスタリカのある中米地域といえば、政治的に動揺・混乱の著しい地域という印象が否めない。キューバのような社会主義国家もあれば、他方では軍部政権・右派勢力が権力を握っている国も少なくない。

　危機管理に関する調査会社「ワールド・マーケッツ・リサーチ・センター」(本社ロンドン)による最新のレポート「グローバル・テロリズム・インデックス2003～04年版」の中で、今年一年の間に世界で最もテロの被害に遭いやすい国の一位にコロンビアが選ばれるなど、世界中で最も緊張度の高い地域でもある。ラテン・アメリカ全般に言えることは、「米州」の諸国としてアメリカ合衆国との関係は(キューバは別として)、さまざまな意味で密接であり、そしてそれはアメリカの民主政治とは態様がかなり異なっているということだ。

　その中でコスタリカの場合は、非武装平和憲法を自国の努力のなかで採択してきた。さらにその立場を、その後の政治外交過程のなかで発展させてきた。非武装平和憲法と非武装中立政策とは、経済地理的に複雑な環境にあるコスタリカの人たち自身が決めたものであり、コスタリカの国益と密接に関連しているのである。

　ニカラグア・エルサルバドルの内戦をはじめ周囲の中米地域における紛争が激化するなか、1983年11月17日コスタリカは、モンヘ大統領の声明として「積極的・永世・非武装中立」を宣言した。
　宣言はその骨子を、

<ol>
<li>中立は将来に渡り永久であり、一時的なものではない。この中立は、他の国々の間に生じる敵対的な紛争全てに適用される。</li>
<li>コスタリカの中立は積極的なものである。中立は政治的・イデオロギー的に不偏不党であることを意味しない。</li>
<li>コスタリカの中立は非武装である。</li>
</ol>

　とするものであった。積極的中立の意味をモンヘ自身、「我々はイデオロギー的に中立という訳ではない。我々はデモクラシーを支援して、あらゆる独裁政治に反対する」と敷衍して説明している。
　この「積極的・永世・非武装中立宣言」は、コスタリカが軍備放棄以来実践してきた国家実行を、改めて定式化すると同時に、周囲の中米紛争深刻化とアメリカ合衆国レーガン政権(当時)による強硬な対中米政策推進という国際環境の下、非武装民主体制を保持し続けるという意志を世界に向けて発信したメッセージでもあった。

　コスタリカの発したこのメッセージは、ラテン・アメリカ諸国をはじめ西欧・北欧諸国・デクアエル国連事務総長(当時)など、米国レーガン政権以外からの支持・歓迎あるいは評価を受けた。
　結局レーガン政権も1984年９月、コスタリカの中立を正式に認知するに至った。モンヘの後任アリアスは、紆余曲折を経ながらもレーガン政権の圧力に抗して非武装中立政策を徹底化し、その中米和平への自発的なイニシアティヴが評価され、1987年ノーベル平和賞を授与されている。
　またコスタリカは国際社会において、基本的人権の国際保障に熱心であるという事実もある。コスタリカ共和国憲法第31条には、こう書いてある。「コスタリカの領土は、全ての政治的亡命者の避難地である」。
　それから国連安全保障理事会（安保理）非常任理事国であった98年６月、インド・パキスタン両国が行った核爆発実験に対し、両国を非難する安保理決議を、日本国政府に協力して採択に持ち込んでもいるのだ。

　しかしながらコスタリカが60年代以降、アメリカを除いて近隣の中米諸国には覇権主義的・侵略的政権が存在しないという環境の中で、非武装政策を維持しえたのは、自国の国防・安全保障をアメリカが主導する米州機構(OAS)、米州相互援助条約(リオ条約)に依存したこと、そしてコスタリカの対米従属外交によってのみ可能であったとも言える。
　中南米においては、1950年代以降この半世紀間、アメリカの権益を侵す政権と見られた民族的・革新的政権はすべて、この地域を「裏庭」＝「勢力圏」と考えるアメリカによる直接・間接的軍事介入あるいは干渉を受けており、キューバとベネズエラを除いた政権は倒壊させられているということを考慮しなければならない。

　言語学者であり国際政治学者でもあるノーム・チョムスキーによれば、

<blockquote>「米国は、その国の労働者の権利が抑圧され、海外からの投資条件が良好であるかぎり、その国の社会改革を許容する。コスタリカ政府は、この決定的な二つの義務をいつも遵守してきたので、ある程度の改革を許されてきたのである」</blockquote>

　とコスタリカのこれまでの社会改革の性格を的確に指摘している。

　つまり簡潔に言えば、ラテン・アメリカ地域においてアメリカの干渉を受けない政権あるいは政策は、革新的・民族的ではないということである。
　歴史的に見て、中南米諸国の政府が革新的な内外政策を実行した場合にはいつも、アメリカの軍事介入を受けるので、自らを武装して守らざるをえないという厳しい現実がある。

　このような状況で、国際世論に訴えて非武装を貫き、非同盟に参加し、その上で革新的政策を実行することは、理想主義の理論的には望ましいとしても、非現実的な考えとならざるをえない。
　結局のところコスタリカの場合、アメリカが憂慮するほどの革新的な内外政策を犠牲にし、かつ親米協調路線を維持してはじめて可能となった非武装と読むこともできる。

　だとしてもコスタリカは、前述したように世界に類を見ない憲法、政策、そしてマニフェストを宣言し、また実行している。
　その意味で｢平和憲法｣を掲げる我々日本人および日本国家が、コスタリカから学ぶことは実に多いと言えるだろう。]]>
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    <title>『新明解』リローデッド</title>
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    <published>2003-07-26T15:00:00Z</published>
    <updated>2007-09-19T09:02:05Z</updated>

    <summary> 　ずいぶん前から気になっていることがあるのだけど、日本人はなぜ、自分の著作や論文などに書いた言葉の意味の典拠を『広辞苑』に求めるのだろうか？ ...</summary>
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        　ずいぶん前から気になっていることがあるのだけど、日本人はなぜ、自分の著作や論文などに書いた言葉の意味の典拠を『広辞苑』に求めるのだろうか？

        <![CDATA[　数多ある国語辞書の中から、『広辞苑』が選ばれる根拠とは、いったいなんだろうか？　たぶんそれは、『広辞苑』から言葉の意味を引用していれば、とりあえずみんなが納得するだろうと言う簡単な理由からなのだろう。つまり『広辞苑』なら、日本語においてデジュール・スタンダードではなくても、デファクト・スタンダードたる地位を占めていると、大多数の人々が無意識に思っているのだ。

　しかし『広辞苑』という辞書は、とてもつまらない一冊だ。たしかに言葉の量的には、それ一冊で、大抵の日本語についての意味を調べることが出来る。でも、ただそれだけ。それ以上でもそれ以下でもないのが『広辞苑』という辞書の特徴で、書いてあることは当たり障りのない無味乾燥な言葉の羅列だ。

　それとはまったく対極にあるのが、三省堂が発行している『新明解国語辞典』。実は今、日本で最も売れている国語辞典である。1972年に初版発行され、以来版を重ね、現在では第５版まで出版されている。第２版まではおとなしい普通の辞書だったが、第３版からは堰を切るように国語辞典における独自のスタイルと、編集主幹・山田忠雄氏による言葉の解釈をいかんなく発揮し始めた。
　以下にほんの少しだけ、この辞書に記載されている言葉のいくつかをピックアップしてみたい。

<blockquote>
<dl>
<dt>れんあい【恋愛】</dt>
<dd>特定の異性に特別の愛情をいだいて、二人だけで一緒に居たい、出来るなら合体したいという気持ちを持ちながら、それが、常にはかなえられないで、ひどく心を苦しめる(まれにかなえられて歓喜する)状態　(第4版)</dd>
</dl>
</blockquote>

　「合体」って？いったい！　『釣りバカ日誌』じゃあるまいし。しかし「常にはかなえられないで、ひどく心を苦しめる」という部分の切なさは、恋愛小説一冊分の内容をたった一行で説明しきっている潔さと深みがある。同じく「恋愛」という言葉を『広辞苑』で調べてみると、「男女が互いに相手をこいしたうこと。また、その感情」と書いてある。は～あ？である。そんなこと知ってるっちゅうの！
　『広辞苑』というのは、こんな程度の辞書なのだ。それに引き替え『新明解』の根底に流れているのは、言葉への愛、愛情だ。あるいは、揺れ動く感情と言ってもいいかもしれない。

<blockquote>
<dl>
<dt>はまぐり【蛤】　〔浜栗の意〕</dt>
<dd>遠浅の海にすむ二枚貝の一種。食べる貝として、最も普通で、おいしい。殻はなめらか。〔マルスダレガイ科〕　　[数え方]　1枚（第5版）</dd>
</dl>
</blockquote>

　「おいしい」って？いったい！　主幹の山田さんは「はまぐり」をおいしいと思うのだ。確かにはまぐりはおいしい貝だけど、そんなことが書かれてる辞書って他にありますか？。それに主幹曰く、はまぐりは「最も普通」の貝なのである。私はあさりが「最も普通」の貝だと思っていたが、山田さんに言われてしまうと、そう納得するしかなくなってしまうのが不思議だ。

<blockquote>
<dl>
<dt>なまじ(副)</dt>
<dd>十分な成果が期待できないのに、何かを敢えてする様子
　　「なまじ女が柔道など習ってもしようがない」(第3版／第4版もほぼ同じ) </dd>
</dl>
</blockquote>

　柔道のヤワラちゃんが聞いたら激怒して山田さんを投げ飛ばしてしまいそうな用例だが、本当にヤワラちゃんに一本背追いでも受けてしまったのか、第５版では、こう切り返してきた。]]>
    </content>
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    <title>スピリアールト ～ 孤独の架橋</title>
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    <published>2003-06-19T15:00:00Z</published>
    <updated>2007-09-19T08:08:22Z</updated>

    <summary> 　雨が降りしきる６月の初旬、東京・京橋にあるブリヂストン美術館へ『レオン・スピリアールト展』を観に出かけた。平日の美術館は静寂に包まれ、訪れている人々もどことなく知性的に見える。 　とくにスピリアールトのような神秘性を帯びた作家の場合には...</summary>
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        　雨が降りしきる６月の初旬、東京・京橋にあるブリヂストン美術館へ『レオン・スピリアールト展』を観に出かけた。平日の美術館は静寂に包まれ、訪れている人々もどことなく知性的に見える。
　とくにスピリアールトのような神秘性を帯びた作家の場合には、会場の静けさは作品を観賞する上で最も大切な要素だ。

        　レオン・スピリアールト(1881-1946)は、20世紀初頭のベルギーにおいて、孤独と憂愁に満ちた独自の世界を創り出した画家。どの流派にも属さずに創作をした彼の存在や作品は、生前においては、母国でしか知られていなかった。具象と抽象、現実と夢の入り乱れる独自の世界が、ベルギー国外に広く知られるようになったのは、つい最近、1980年代になってからのことだ。

　スピリアールトが、彼の才能を開花させ始めたのは1900年頃のこと。文学や美術界で立ち現れていた象徴主義的な世界を吸収し、フリードリッヒ・ニーチェへの関心などを経て、ナビ派やロートレック、あるいはムンクなど、19世紀末から20世紀初頭にかけてのヨーロッパ美術を独学で追求したスピリアールトは、それまでの美術界のどこにも属さない、独自の絵画世界を作り上げていった。
　早熟な画家であったスピリアールトは、その初期の十数年間に、今日注目される特異な才華をほとんど満開なほどに開花させていったとも言えるだろう。その頃のスピリアールトは、暗鬱な自画像を連作し、静物や室内の情景を対象として、目に映る物をすべて神秘的に変容させる表現形式を模索していった。そして女性という変幻自在なイメージを主題にしたスピリアールトは、女という実存する具象を、時には抽象的に形象化しながら、夢とも幻想ともつかないものに変えようと試みた。
　また彼は「紙」に対して執拗なほどの愛情を向け、墨、水彩、色鉛筆、パステルなどを用いながら、紙という媒体に、故郷であり、ヨーロッパ有数のリゾート地であるオーステンドの風景や堤防、人々、とくにそこに住む女などを描きながら、誰も見たことのない幻視的な世界を展開させていった。

　スピリアールト芸術の特徴をひとことで言えば、ごく平凡な日常風景に自らの孤独や不安を投影し、紙というなんでもない媒体を、謎めいて神秘的なものに変貌させていることだ。それは、見る者をひどく不安にさせながら、同時にそこから離れられなくさせる不思議な魅力に満ちている。さらに彼の作品に見られる墨の濃淡を巧みに採り入れた画面や、単純化された色面による構成は、浮世絵など日本美術からの深い影響を感じさせ、われわれ日本人には、何か懐かしささえ憶えるものとなっている。
　
　スピリアールトの代表作『めまい』は、1908年の作品。画面いっぱいに、巻き貝を思わせる巨大な階段が聳え立っている。上段部分では女が、強風に長い髪を靡かせながら恐る恐る階段を降りている。一歩足を踏み出すのも躊躇われるほど強力な光が、足下の階段を照らし出す。その光のせいで段差の部分は、漆黒の闇のようなコントラストを帯びている。女は圧倒的に孤独だ。誰もいない荒涼に取り残された彼女の不安が痛いほど伝わってくる。われわれはそんな女の行動を少し遠くから眺める形となる。見ているこちらまでもがめまいのしそうな断崖の階段を、いったい彼女はどこへ向かおうとしているのか？

　また同年の作品である『堤防の女』においては、堤防に架けられた階段の淵に黒い水着を着けた女が佇んでいる。背中を丸めながら、奇妙に幾何学的な渦を描く波間を見つめて。隣では痩せ細った犬が、女の視線の先を眺めている。夕暮れ、あるいは夜明けを思わせるその薄明の景色の中で、彼らが凝視するのは、果たしてやってくるものなのだろうか？　それとも過ぎ去ってしまったものだろうか？

　1907年に生み出された『青い鉢』に描かれるのは、ぼんやりとした乳青色のすべらかで平べったい鉢だけだ。画面を覆う濃緑色の地に置かれた鉢は、不自然な傾斜に置かれている。紙の上に、墨の淡彩と水彩、そして色鉛筆だけで描かれたとはとても思えないほど、現実的な色彩を放つ乳青色の鉢が描かれている。ただそこにあるだけなのに、何かを語りかけるみたいにして存在する鉢。月明かりのような淡い光に照らされた鉢はまるで、命を吹き込まれて、空中を彷徨う飛行物体のように蠢いて見えるから不思議だ。

　そんなスピリアールトの作品におけるもう一つの特徴は、類い希な先駆性にあると言えるだろう。単純で極端な遠近法を用いた画面構成は、幾何学的抽象絵画を予告していると言われ、また日常的なものを表現しながら、神秘性をも浮かび上がらせる手法は、同国出身のルネ・マグリットを筆頭としたシュルレアリスムへの先駆けとも評価されている。

　かつてフランドルと呼ばれたベルギーは、ヨーロッパの十字路とされる交通要所にあって、豊かで恵まれた伝統文化を育んできた。またベルギーは、フランドルと呼ばれた昔から、独自の幻想芸術を輩出してきた王国でもあった。
　その特徴は、身近な現実に即した物や景色における「神秘」の追求であり、このことは、19世紀末の象徴派にも今世紀のシュルレアリストたちにも共通して言えることだろう。そういう意味でわれわれは、スピリアールトにも、ポール・デルヴォーやマグリットの幻想絵画に通ずるこの国特有な芸術的解釈である「日常性の仮面をつけた異常」の魅力を感じとるのかもしれない。

　フランドル派として知られる数多くの優れた画家を輩出してきた美術の伝統、中でもヒエロニムス・ボスやブリューゲル一家による鋭い心象表現によるフランドル的幻想表現の伝統は、スピリアールトを含めた19世紀以降の画家たちにも脈々と伝えられている。その中にあってスピリアールトは、目の前にある近代という風景を、普遍な精神世界に置きかえ、世紀末の不安や彼の内部に抱えた陰鬱を神秘的画面に満たすことによって、象徴主義と表現主義を結ぶ役割を果たしたとも言えるだろう。
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    <title>新しい〈帝国〉の誕生　３</title>
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    <published>2003-05-18T15:00:00Z</published>
    <updated>2007-09-19T08:03:45Z</updated>

    <summary> 　経済誌のトレンド観測ほど、振り返ったときにバカバカしく見えるものは、まずないだろう。例えばほんのちょっと前までは、ユニクロ、マクドナルド、スターバックスなどを「勝ち組」と称揚し、その手法とマーケティング能力について経済誌がこぞって事細か...</summary>
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        　経済誌のトレンド観測ほど、振り返ったときにバカバカしく見えるものは、まずないだろう。例えばほんのちょっと前までは、ユニクロ、マクドナルド、スターバックスなどを「勝ち組」と称揚し、その手法とマーケティング能力について経済誌がこぞって事細かに分析していたのは、我々の記憶に新しい。

        　しかしこれらの企業は現在、どれも苦戦を強いられている。「山高ければ、谷深し」という言葉のとおり、流行は常に極端な凋落を迎えるものなのだから。

　経済誌は、自らが持ち上げた企業についての省察や自戒は決してしない。また新たなトレンドを見つけだし、あたかもそれがどの企業にとっても必要なビジネス・モデルなのだと声高に叫びまわるだけだ。
　だとしたら、この超資本主義社会の中で安定したビジネスをし続けてゆくということは、なんて困難なことなのだろうか。そんな中、アメリカ〈帝国〉を中心とした金融ビジネス・ルールの策定団体であるWTOやIMFなどの強圧的な方策がさらに、これまでの安定した企業活動をおびやかしている。

　それは世界中を巻き込んだビジネス・ゲームとして、各国の農業や地場産業を壊滅させ、地域経済を麻痺させているのだ。我々は知らぬ間に投機的なビジネス・ゲームに足下を巣くわれてしまい、生き残るためにしかたなく〈帝国〉の思惑に従わされているのが現状だ。

　これらアメリカ〈帝国〉のグローバル化に異議を唱え、抗議活動をする英雄がいる。その名はジョゼ・ボベ。1999年８月、グローバリズムの象徴としてのマクドナルドを破壊し逮捕されたことで、一躍世界中に知れ渡った男。
　フランス・ボルドーに生まれ、1971年から南部ミヨーで開拓農民をし、87年に中小農家組合「農民同盟」を設立。マクドナルドを襲撃したきっかけは、欧州連合（EU）による米ホルモン肥育牛肉の輸入禁止に対抗して、米国がEU産チーズなどを輸入禁止にする制裁措置を取った問題に端を発した。

　マクドナルドは以前から、その機械的で劣悪な労働環境や、スピードや効率を求めすぎる結果として糞尿が混じった製品が混入されていると指摘されている。
　他にも世界中で消費される莫大な数の牛を育てるためにアマゾンなどの森林を加速度的に破壊し、またハッピーセットに付くオモチャを生産する中国などアジアの子どもたちが、１日15時間以上もの違法労働を強いられ、学校にも通えない状況を作り出しているとして、環境保護団体や人権NPOなどによる抗議の矢面に立たされていたりする。
　スローフード復権の流れの中で世界各国の食文化を見直す人たちからも、香料と人口調味料に毒されたカロリーだけの固まりであるハンバーガーを排除しようとする動きに囲まれてきている。

　確かに世界中どこでも同じ味、同じ規格の商品が流通しているというのは不気味なことだ。だからジョゼ・ボベがそんな〈帝国〉的マクドナルドを襲撃したときも、アメリカ以外の国のメディアの多くは、批判的というよりも同情的な報道姿勢を取った。
　ジョゼ・ボベはその後も「フォアグラの国にホルモン肥育牛肉はいらない」というスローガンを掲げ、それに賛同した農民らがフランス全国約百カ所のマクドナルドで店内に肥料をまくなど「闘争」を拡大し、ボベ自身は同年アメリカ・シアトルでのWTOに対する数万人規模の抗議デモに参加し、「新しいフランス農民」として人気を集めることになった。
　ボベはまたマクドナルド破壊の他、研究施設や民間農場で育成していた遺伝子組み換え作物を引き抜き捨てた事件などでも罪に問われ、裁判にかけられたが、死者１人を出したイタリアのジェノバ・サミットでの反対デモにも参加。反グローバル化運動を決して諦めない姿勢は、農民を中心とした世界中の人々から熱狂的な指示を集めている。

　なぜジョゼ・ボベは、これほどまでになってグローバリズムと戦うのか？　
　彼の主張はこうだ！

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　つまり、グローバリズムというものは、一部の者だけが途方もない上前をはねる『支配の論理』だからだ。グローバル化のおけげで金持ちになったアフリカ人やイスラム教徒はいないし、フランスにせよ日本にせよ農業は先細るばかりだ。
　今や世界の三富豪の所得が、貧困に苦しむ45ヶ国の歳入合計を上回る。グローバル化というのは貧富の差を広げるばかりなのだ。
　またWTOが行っているのは、農民による農業を破壊して、多国籍企業のアグリビジネスだけが生き残れる道を作ること。
　さまざまな国独自の農業のやり方を押しつぶし、すべてがアメリカ〈帝国〉の保護主義のために展開されてしまっているということ。
　だからこそ、世界中で多くの人々が立ち上がり、WTOの支配の論理、商業化の論理に立ち向かっていかなければならなく、こうした流れを提唱することは、もはや単なる選択の問題ではなく、義務の問題になっているということ。
　誰の物でもないはずの水までもが商品として独占化されつつある現在、WTOは巨大な製薬メーカーや農業メジャーなどによって、人間のゲノムを特許化し私物化するにとどまらず、生物種の多様性もでもを独占させようとしているということ。
　つまり遺伝子組み換え作物に対する特許を通じて、世界中すべての種子管理を牛耳ろうとしているということ。従来は農民が自分で収穫し、またその種を蒔くということを行ってきたわけだが、特許があるがために、農民はもはや自分の畑で収穫した種子ですら翌年に蒔くことが出来なくなり、もし蒔いてしまえば特許侵害として莫大な損害賠償請求をされてしまうということ。
　これはアメリカ〈帝国〉的な全体主義的農業以外の何物でもないということ。
　そしてこのことは、我々が世界中で何千年と続けてきた自然への関与や農業、あるいは食文化に対して壊滅的な問題を引き起こしているということ。
　だからこそ〈帝国〉と、その取り巻きであるWTOに闘いを挑まなければならない。しかしこの闘いは武器を用いてはならず、我々の闘いは弱者の武器である非暴力、つまり連帯を通して公正な世界を作りあげなければならないのだ、と。
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　みなさんはこの意見にどう思われるだろうか？　賛同するにせよしないにせよ、上記の事柄が、我々自らの問題であることは疑いの余地がない、とだけは言えるだろう。

　最後にジョゼ・ボベのこんなコメントを紹介して終わりにしたい。「権利を守るために時には司法と対立することだってありうる。法律に触れることだってありうる。ならば、私たちの手で法律を変える運動をしよう。敗北とは闘わないことだ。一人一人の小さな闘いをつないで大きくしていこう。希望をグローバル化するために、闘いをグローバル化しよう！」
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    <title>新しい〈帝国〉の誕生　２</title>
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    <published>2003-04-27T15:00:00Z</published>
    <updated>2007-09-21T19:25:35Z</updated>

    <summary> 　イラクへの圧倒的な武力攻撃が終焉した後に書き替えられた世界地図において、アメリカという毒々しい色彩が地図上に塗りたくられた面積は非常に大きくなった。 ...</summary>
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